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「中小企業の会計に関する指針」公開草案について その2


平成17年7月4日

 前回は、「中小企業の会計に関する指針」のアウトラインについて見てみました。今回は、その具体的な内容について見てみることにします。
■ 貸倒引当金の計上基準
 貸倒引当金については、金銭債権について取立不能の恐れがある場合には、取立不能見込み額を貸倒引当金として計上しなければならないとしています。しかし、「法人税法の区分に基づいて算定される貸倒引当金繰入限度額が明らかに取立不能見込額に満たない場合を除き、繰入限度額相当額をもって貸倒引当金とすることができる」とし、特別な場合を除き、法人税法上の繰入限度額相当額を貸倒引当金の繰入額とすることを認めています。
■ 減価償却・減損会計
 固定資産の減価償却については、「法人税法の規定による償却限度額をもって償却額とすることができる」とし、税法上の基準で償却することを認めています。減損処理については、原則として、「物理的・機能的に減損が生じた場合」には、帳簿価額を減額しますが、中小会社に対して上場会社と同じ減損会計の基準を適用するのは事実上困難であることから、「資産の使用状況に大幅な変更があった場合に減損の可能性を検討する」と、適用を緩やかにしています。また、将来キャッシュフローの見積もりまでは要求していません。
■ ゴルフ会員権
 ゴルフ会員権については、中小企業において法人所有の形態が比較的多く見られることから、その会計処理について、重要性をかんがみて減損処理が盛り込まれています。時価が取得原価より50%以上下落した場合やゴルフ場運営会社が破産法や民事再生法等の申し立てをした場合などは、有価証券に準じた減損処理をする必要が生じます。預託保証金方式の会員権についても、時価との比較に基づいて帳簿価額を引き下げる処理が求められます。
■ 有価証券
 有価証券については、売買目的有価証券とその他有価証券との区分については、税法規定に従った分類を認めています。
 有価証券は、会計処理上は金融商品会計基準に基づいた処理が求められますが、税法上も、期末有価証券について時価評価損益の認識の規定があり、ある程度実務の慣行として定着しているとの見方があるという認識のもとで、指針に盛り込まれたものと思われます。
 指針にはこのほかにも、退職給付会計、税効果会計などについての内容が盛り込まれています。
 
(税理士 朝倉 令子)
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