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今年も最後です。今週も引き続きテーマは確定申告。サラリーマンの方が、確定申告をすると税金の還付が受けられるケースです。
6.マイホームを建てた・リフォームをした場合
マイホームを建てたり、増改築してローンを組んだ、といった場合には、最初の年だけ確定申告の必要があります。
いわゆる住宅ローン控除です。平成11年4月から平成13年6月までの間に住み始めた人は15年間、平成13年7月から平成16年12月までに住み始めた人は10年間、控除が受けられます。サラリーマンの場合、最初の年だけ確定申告の必要がありますが、それ以降の年分については、年末調整で還付が受けられます。
<住宅取得控除額>
居住の用に供した日 |
控除を受ける年 |
各年分の控除額 |
平成11年1月1日から平成13年6月30日まで |
居住1年目~6年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高5,000万円)×1%(最高年50万円) |
居住7年目~11年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高5,000万円)×0.75%(最高年37.5万円) |
居住12年目~15年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高5,000万円)×0.5%(最高年25万円) |
平成13年7月1日から平成16年12月31日まで |
居住1年目~10年目の各年 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高5,000万円)×1%(最高年50万円) |
平成17年中 |
居住1年目~8年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高4,000万円)×1%(最高年40万円) |
居住9年目~10年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高4,000万円)×0.5%(最高年20万円) |
平成18年中
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居住1年目~7年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高3,000万円)×1%(最高年30万円) |
居住8年目~10年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高3,000万円)×0.5%(最高年15万円) |
平成19年中 |
居住1年目~6年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高2,500万円)×1%(最高年25万円) |
居住7年目~10年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高2,500万円)×0.5%(最高年12.5万円) |
平成20年中 |
居住1年目~6年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高2,000万円)×1%(最高年20万円) |
居住7年目~10年目 |
その年の住宅借入金等の年末残高(最高2,000万円)×0.5%(最高年10万円) |
7.医療費を年間10万円以上支払った場合
年間10万円以上医療費を支払った場合には、確定申告で税金が戻ってくる。もう皆さんご存知の医療費控除です。ただし、忘れてはいけないのは、そのかかった医療費から、保険などで補填される金額を差し引かなくてはいけないこと。
それと、10万円というのは、正しくは、10万円と、所得金額の5%のどちらか低い金額です。ですから、給与収入から給与所得控除額を引いた金額が、200万円以下の人は、5%のほうが10万円より低くなります。
また、支払った医療費は、自分の分だけでなく、一緒に住んでいる家族の分も含めてOKです。しかも、今まで、医療費はたくさんかかっていたのに、確定申告しないで何年も過ぎてしまった人、過去5年間、年末調整しかしていなければ、5年前にさかのぼって控除が受けられます。お医者さんの領収書と給与所得の源泉徴収票をそろえて、税務署に行ってみましょう。
8.退職して退職金を受け取った人が定率減税を使い切っていない場合など
退職所得は、他の所得と分離して退職所得だけで税額を計算します。「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると、退職金に対する正しい税額を住民税も含めて源泉徴収されて支払われます(「退職所得の受給に関する申告書」を提出しないと20%の税率で源泉徴収されます)。
ですから、通常は退職金をもらっても、確定申告は必要ありません。しかし、他の所得が赤字の場合や、所得控除を他の所得で使い切っていない場合、さらに、定率減税の限度額(平成16年分の場合25万円です)を使い切っていない場合には、確定申告することにより退職所得から源泉徴収された税額が還付されます。
いよいよことしも今日で終わりですね。来年はもっとお役に立てる情報をこのホームページにて御提供します。来年もよろしくお願いします。 税理士 朝倉令子
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