朝倉令子税理士事務所
事務所案内 業務案内 相続対策遺産整理 料金について セミナー情報 拝啓社長殿 HOME
税金コラム
知って得する税金コラム

【平成17年7月8日「「生計を一」ということ・4月に就職した新入社員の税金」】
■「生計を一」ということ
 所得税には、「生計を一」ということばが頻繁にでてきます。扶養親族や控除対象配偶者に該当するかどうかの判定をする際にも、
  1. 生計を一にする妻または夫や親族で
  2. 合計所得金額が38万円以下
の要件に該当する人が扶養親族や控除対象配偶者となります。
 医療費控除も、生計を一にする配偶者や親族の医療費を払った場合に適用があります。社会保険料控除もそうです。では、この「生計を一にする親族」とは、何なのでしょうか。
 「生計を一にする親族とは、同一の生活共同体に属して日常生活の資をともにしている親族」をいいます。具体的には、単身赴任のサラリーマンで、家族とは別居していても、週末には家族のいる自宅に帰っているような場合、あるいは、学生がアパートで一人暮らしをしているが、親が仕送りをして扶養している場合などは、起居を共にしていなくても、生計を一にする親族といえます。これに対して、同一の家屋に住んでいても、明らかに互いに独立して日常生活の資を共にしていないような場合には、生計を一にする親族とはいえません。二世帯住宅に住んでいて、家計はまったく別、というような場合には、生計を一にしていることにはならないでしょう。

■4月に就職した新入社員の税金
 この4月に、晴れて社会人になったという人は、親の扶養家族になれるのでしょうか。所得税や住民税は、暦年で計算しますから、今年の合計所得金額が38万円以下ならば、4月に就職した人でも、親の扶養親族に該当します。4月から12月までの給与の合計が103万円以下であれば、OKです。でも、果たしてうちの息子の今年の収入が103万円を超えるのか、超えないのか、暮れになってみなければわからない、という場合にはどうしたらいいのでしょうか。そのような場合には、親は自分の会社に息子が扶養親族にならない旨の届出をします。つまり、親の給料から毎月差し引かれる所得税は、息子が扶養家族にならない場合の金額です。そして、年末になって、どうも息子の所得が103万円に届きそうもなければ、息子を扶養親族に入れて年末調整をしてもらえばいいのです。そうすれば、月々差し引かれていた所得税は、扶養親族が1人少ない場合の金額ですから、年末調整での還付金がその分多くなるわけです。年末調整でたくさん、還付金があるとなんだかうれしいものですよね。
 息子のほうも、4月からもらった給与から差し引かれていた所得税は、全額、年末調整で還付されます。ただし、4月に就職した会社を12月になる前に辞めてしまった場合には、年末調整は受けられませんから、自分で確定申告をしなければ天引きされた所得税は還付されません。
 年の途中で結婚した人は、結婚する前に一緒に住んでいた親、結婚後いっしょに住む夫、どちらの扶養家族になるのでしょうか。これは、どちらか一人の扶養家族とすればよいので、(親と夫、両方の扶養家族には、当然のことながらなれません。)年末に一緒に住んでいる夫の扶養家族としなくてはならない、ということはありません。親のほうが夫より収入が多ければ、親の扶養家族にしたほうが有利な場合もあります。
   
Copyright © 2005 Asakura Reiko. All Rights Reserved.