朝倉令子税理士事務所
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【平成17年7月1日「勤労学生控除」】
 月のテーマは、「学生と税金・退職と税金」です。学生がアルバイトをしたら?学生を持つ親の税金は?退職金の課税はどうなるの?といった内容をお伝えしていきます。

■勤労学生控除
 働きながら通学している場合には、所得税の計算をする際に、一定の要件に該当すれば、勤労学生控除という控除が受けられます。控除額は27万円です。勤労学生控除の対象となる勤労学生とは、
  1. 学校教育法第1条に規定する学校の学生、生徒または児童や、各種学校の生徒、職業訓練法人の行う認定職業訓練を受ける人で一定の人
  2. その年分の合計所得金額が65万円以下
  3. 自己の勤労による所得以外の所得が10万円以下
の人をいいます。
 この場合、学校教育法上の学校の学生(高校生や大学生)だけでなく、専修学校、各種学校、職業訓練校などの学生も、一定の証明書を添付すれば適用が受けられます。ですから、リストラされた中高年でも、失業給付を受けながら職業訓練を受けていれば適用があります。
 合計所得金額が65万円以下ということは、たとえばアルバイト収入が年間131万円の場合、給与所得控除65万円を引いた合計所得金額が66万円となってしまい、勤労学生控除を受けられません。ほかに何も控除がない場合、基礎控除38万円を引いた28万円に対して所得税と住民税がかかります。ちなみに、この場合の平成17年分の所得税を計算してみますと、22,400円です。
 アルバイト収入が年間130万円の場合、給与所得控除を引いた合計所得金額は65万円となり、勤労学生控除の適用があります。ほかに何も控除がない場合、基礎控除38万円を引いた課税所得は0(ゼロ)となり(130万円-65万円-27万円-38万円=0)、所得税はかかりません。
 「自己の勤労による所得以外の所得」とは、事業所得、給与所得、退職所得、雑所得以外の所得をいいます。たとえば、家賃収入や株の売買で得た所得などは、自己の勤労による所得にはなりません。合計所得金額のうちこれらの所得が10万円を超えると、勤労学生控除が受けられません。

 また、この学生の親の所得税や住民税について考えてみますと、子供の所得が131万円(あるいは130万円)ありますから、親の扶養親族とはなりません。扶養親族となるためには(扶養控除を受けるには)子供の合計所得金額が38万円以下でなくてはダメなのです。給与所得の場合には、103万円以下ならOKです(給与所得控除の65万円と基礎控除の38万円の合計額が、ちょうど103万円です。)。平成17年分の所得税の場合、子供が昭和58年1月2日から平成2年1月1日までの間に生まれていれば、特定扶養親族として63万円、それ以外の場合には、38万円の控除がなくなりますから、親の税金がその分多くなるわけです。
 扶養している子供が年の中途で死亡した場合や、納税者本人が死亡した場合には、扶養控除や勤労学生控除の適用はどうなるのでしょうか。いずれも、その死亡の日で判定しますので、子供が死亡した場合には、死亡の日に扶養親族に該当すれば、死亡した年分の親の扶養親族となります。納税者本人が死亡した場合には、その死亡の日に勤労学生控除の要件にあてはまれば、控除が受けられます。
   
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