朝倉令子税理士事務所
事務所案内 業務案内 相続対策遺産整理 料金について セミナー情報 拝啓社長殿 HOME
税金コラム
知って得する税金コラム

【平成17年5月6日「そもそも贈与ってなに?」】
 マイホームを建てるときに、親から資金援助をしてもらったけれど、贈与税がかかるのかしら?とか、収入のない妻の名義で定期預金をしたけれど、贈与税の対象になるの?といった疑問をお持ちの人は多いのではないでしょうか。そこで、今月のテーマは、「贈与と税金」です。どんな場合に贈与税がかかるのか、また、税法上の特典は?といった内容についてお伝えしていきます。

■そもそも贈与ってなに?
  民法で、「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をし、相手方が受諾を為すことによってその効力を生ずる」契約である、とされています。ですから、贈与は契約なのです。贈与するほうが、「あげます」という意思表示をして、もらうほうが「もらいます」という意思表示をして、はじめて、贈与契約が成立します。贈与するほうがいくら「あげます」、といっても、もらうほうが「いりません」といえば、契約は成立しませんし、相手の知らないところで「あげます」とばかりいっていても、やはりダメなのです。妻や子供の名義で定期預金の口座を作っても、あげた本人だけが知っていてもらったほうが知らされていなければ、贈与とはいえないわけです。
  また、民法では、契約は、必ずしも書面で交わされている必要はなく、口約束でも成立することになっています。ただし、口約束の贈与はいつでも取り消せることになっています。たとえば、高級クラブに行って、つい気が大きくなってしまい、クラブのママに高価な腕時計をあげてしまったとしましょう。翌日、酔いが覚めて考えてみたら、なんともったいないことをしてしまったことか、と後悔しきりです。でも、このような場合には、口約束での贈与契約ですから、あとから取り消すことができます。現実としてママに、あの時計を返してくれと言えるかどうかは別としてですが・・・。
 いっぽう、贈与契約を書面で交わした場合には、一方的に取り消すことはできません。口約束ですと、後になって「言った」「言わない」などの、トラブルが起きかねませんが、書面にすれば、そんな心配がなくなります。そのために書面で契約するのですから、法的に拘束力をもつわけです。

■贈与税がかかるもの
 人から財産をもらえば、贈与税がかかります。贈与税がかかるものには、現金をはじめとして、土地や建物、預貯金、貸付金、株式など、金銭に見積もることができるすべてのもののほか、経済的利益を伴うものについても贈与税がかかります。この、みなし贈与には、次のようなものがあります。
1.著しく低い価額で財産を譲り受けたことによる利益
  たとえば、時価5,000万円の土地を、2,000万円で譲り受けた場合、時価との差額3,000万円に対して課税されます。
2.債務の免除や借金の肩代わりをしてもらったことによる利益
  親に借金の肩代わりをしてもらっても、贈与とみなされます。
3.生命保険金の保険料負担者と満期保険金の受取人が違う場合
  満期保険金の受取人に対して、保険料負担者から贈与が合ったものとされます。(2月の「生命保険と税金」を参照してください)
4.信託財産を贈与された場合
  自分の財産を信託銀行に預けて、管理・運用をしてもらうのが信託ですが、委託者と受益者が違う場合、委託者から受益者に対して受益権の贈与があったものとみなされます。
  その他、無償、あるいは著しく低い対価で利益を受けた場合、贈与を受けたとみなされて、贈与税がかかります。
Copyright © 2005 Asakura Reiko. All Rights Reserved.