朝倉令子税理士事務所
事務所案内 業務案内 相続対策遺産整理 料金について セミナー情報 拝啓社長殿 HOME
税金コラム
知って得する税金コラム

【平成17年4月8日「相続税がかからない遺産額など」】
■相続税がかからない遺産額
 親や配偶者から財産を相続したすべての人が相続税を納めなくてはいけないか、というとそんなことはありません。基礎控除というものがあって、一定額以下ならば相続しても税金はかかりません。
 この基礎控除は、
5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
で、計算されます。たとえば、夫が死亡して、妻と子供3人が相続人の場合には、法定相続人は4人ですから、
5,000万円+(1,000万円×4人)=9,000万円
までなら相続税はかかりません。法定相続人の人数が多いほうが、基礎控除は多いわけです。

■法定相続人とは
 法定相続人というのは、相続の放棄があった場合にはその放棄がなかったものとして相続人の人数を数えます。
 相続の放棄というのは、被相続人の財産だけでなく、債務もすべて引き継がないということです。父親の死後、財産を調べてみたら、借金だらけだった、という場合には、この父親の借金をすべて子供が肩代わりしなくてはいけませんが、相続の放棄をすれば、父親の借金をかぶらなくてすみます。
 先週の限定承認の場合には、財産の範囲内で債務も引き継ぐのに対して、相続の放棄は財産も債務もすべて引き継ぎません。限定承認が相続人全員の総意が必要なのに対し、相続の放棄は相続人の自由です。長女は相続を承認し、次女は相続を放棄する、ということも可能です。相続の放棄の手続きも、やはり、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てなくてはなりません。この期間を過ぎてしまうと、自動的に相続を承認したことになって、借金も背負うことになります。

■養子縁組と法定相続人
 先ほどの相続税の基礎控除の算式をもう一度見てみましょう。
5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
でした。
 法定相続人の人数が多ければ多いほど、相続税の基礎控除額は多くなります。さらに、死亡保険金や死亡退職金の非課税限度額の計算は、
法 定 相 続 人 × 500万円
で計算されます。この枠も、法定相続人が多ければ多いほどトクです。しかも、納める相続税額を計算する際に相続財産にかける税率も、超過累進税率といって、財産の価額が低い方が税率が低いため、法定相続人が多いほど税率は低くなる場合があります。ということは、子供がたくさんいれば、相続税は安くなるわけです。それなら、養子縁組をして子供を増やせば相続税は安くできる、誰でも考えることです。確かに、養子は養親の財産を実子と同等に相続できます。しかも、以前は、養子縁組した子供も全員、法定相続人となったため、養子を増やせば簡単に相続税が節税できました。それならば、いっそ養子をたくさん増やしてしまえ、ということで、7人とか10人もの孫や親族と養子縁組をした人が実際にいました。そこで、現在は、こうした方法で相続税を少なくするやり方を封じるため、実子がいる場合には1人、実子がいない場合には2人までが相続税の計算上、養子の数として認められるようになりました。もちろん、それ以上の養子がいれば、その養子も財産を相続する権利はあります。ただ、法定相続人の人数には入らないということなのです。
Copyright © 2004 Asakura Reiko. All Rights Reserved.